2006年10月14日(土)06:06

ユンケル首相はEU憲法の解体に警告

オスナブリュック(AP)

ルクセンブルクのジャンクロード・ユンケル首相は、EU憲法が個々の部分に解体されるあまり頓挫する危険性があると警鐘を鳴らした。ユンケル首相は『ノイエ・オスナブリュッカー・ツァイトゥング』紙Neue Osnabrucker Zeitung(土曜版)のインタビューで、憲法は多くの妥協から生まれた総合体なのであると述べた。

そこから部分部分を抜き出せば、「全体構造が崩壊する」恐れが出てくる。何といっても16ヶ国がすでに批准していることを忘れてはならない。批准を済ませた国にとって「発効のために憲法の内実が失われることは受け容れがたい」とユンケル首相は語った。

ユンケル首相は2007年上半期のドイツEU議長に憲法論議における状況の打開が成功するとは期待していない。私の見地では、憲法交渉の仕切り直しを求めることや、同じ文言のまま否決覚悟で国民投票のやり直しを求めるという「極端な代案」を「なだめる」ことができれば、それだけで重要な進展となる、と首相は述べた。

ドイツのアンゲラ・メルケル首相は2007年上半期の議長任期に、凍結されたEU憲法の発効に向けたタイムスケジュールを策定すると述べている。ユンケル首相は憲法論議を2009年までに終えるよう強く求めた。EU憲法条約は、欧州委員会委員長の権限の一層明確な規定と欧州委員の数の削減、ならびにEU外相の創設などを定めている。

ユンケル首相は、EU市民は再び統合プロセスとの一層の和解を図らねばならないと求めた。その前提条件となるのは、「欧州の付加価値を人々に日常的に実感させる、結果のEU」であると首相は語った。

原題:Juncker warnt vor Zerlegung der EU-Verfassung




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